【作品ノート】

感情と距離

私の暮らす兵庫の山間部から赤レンガ倉庫までの距離、

約632km。

客席から私までの距離、8m。

距離を越えたコミュニケーションが多様化する今、「感情」というものに触れる機会が少なくなったように思う。そもそも「感情」に「触れる」とは一体何なのだろう。
 
 18世紀の画家フェルディナント・ホドラーは絵画で「感情の身体化」を試みた。彼が19世紀との境目に描いた「昼」という作品を眺めながら、私は身体のフォルムに潜む「感情」について模索する。

 揺らぎ、惑う生身の身体―
 それらは一体何を指し示し、何に触れるだろうか? 
作品タイトル 「Waku」―枠・湧く・惑・沸く 
振付・出演  伊東歌織   
チェロ楽曲提供 成田千絵 
協力 黒沼千春/京極朋彦 
photo by  菅原康太

企画 Yokohama Dance Collection2021・Master class for Choreographer <Work in Progress> 
会場 横浜赤レンガ倉庫第1号館・三階ホール
上演日時 2021年2月21日(日) 
助成 文化芸術活動の継続支援事業
主催:【横浜市芸術文化振興財団】

※この作品は、2015年に音楽家・美術家・ダンサー・制作の 4 人のユニット「顔」として作品を発表した小作品「枠」の振付を伊東歌織が再構成し、新たな作品「Waku」として発表したものです。